DB設計のアプローチとコツ

DB設計のアプローチとコツ

1. 要件定義・分析フェーズ

「何を保存するか」を明確にする

まず最初に行うべきは、システムが扱うデータの全体像を把握することです。

やるべきこと

  1. ユーザーストーリーの整理
  2. 扱うエンティティ(実体)の洗い出し
  3. データの関係性の大まかな把握
  4. 将来的な拡張可能性の検討

コツ

この段階では技術的な詳細に入り込まず、ビジネス要件に集中しましょう。「ユーザーが商品を注文する」といった自然言語レベルでの整理が重要です。

2. 概念設計フェーズ

ER図で関係性を可視化

要件が整理できたら、エンティティ関係図(ER図)を作成します。

やるべきこと

  1. 主要エンティティの特定
  2. エンティティ間のリレーションシップの定義
  3. カーディナリティ(1対1、1対多、多対多)の決定
  4. 主要な属性の洗い出し

コツ

最初は大きなエンティティから始めて、段階的に詳細化

多対多の関係は必ず中間テーブルで解決

将来の拡張性を考慮して、過度に正規化しすぎない

3. 論理設計フェーズ

正規化で整合性を保つ

ER図をベースに、実際のテーブル構造を設計します。

正規化のポイント

  1. 第1正規形:繰り返し項目の排除
  2. 第2正規形:部分関数従属の排除
  3. 第3正規形:推移関数従属の排除

コツ

第3正規形まででも十分なケースが多い

パフォーマンスと整合性のバランスを考慮

読み取り頻度が高い場合は、意図的な非正規化も検討

4. 物理設計フェーズ

パフォーマンスを意識した実装

論理設計を実際のDBMSに合わせて最適化します。

検討すべき要素

  1. データ型の選択
  2. インデックス設計
  3. パーティショニング
  4. ストレージ設計

コツ

主キーは代理キー(サロゲートキー)を推奨

外部キー制約は整合性とパフォーマンスのトレードオフを考慮

インデックスは「作りすぎ」より「作らなすぎ」の方が安全

補足:PostgreSQLパーティショニングテーブル作成例

PostgreSQLでパーティショニングを実装する際の、実用的なクエリ例をいくつか紹介します。

1. 範囲パーティショニング(Range Partitioning)

日付によるパーティショニング - 最も一般的

2. リストパーティショニング(List Partitioning)

地域や カテゴリによるパーティショニング


5. 実装・検証フェーズ

実際に動かして検証

  1. 設計したスキーマを実装し、想定通りに動作するか検証します。
  2. 検証項目:
  3. データの整合性チェック
  4. パフォーマンステスト

拡張性の確認

バックアップ・復旧手順の確認


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