DB設計のアプローチとコツ
DB設計のアプローチとコツ
1. 要件定義・分析フェーズ
「何を保存するか」を明確にする
まず最初に行うべきは、システムが扱うデータの全体像を把握することです。
やるべきこと
- ユーザーストーリーの整理
- 扱うエンティティ(実体)の洗い出し
- データの関係性の大まかな把握
- 将来的な拡張可能性の検討
コツ
この段階では技術的な詳細に入り込まず、ビジネス要件に集中しましょう。「ユーザーが商品を注文する」といった自然言語レベルでの整理が重要です。
2. 概念設計フェーズ
ER図で関係性を可視化
要件が整理できたら、エンティティ関係図(ER図)を作成します。
やるべきこと
- 主要エンティティの特定
- エンティティ間のリレーションシップの定義
- カーディナリティ(1対1、1対多、多対多)の決定
- 主要な属性の洗い出し
コツ
最初は大きなエンティティから始めて、段階的に詳細化
多対多の関係は必ず中間テーブルで解決
将来の拡張性を考慮して、過度に正規化しすぎない
3. 論理設計フェーズ
正規化で整合性を保つ
ER図をベースに、実際のテーブル構造を設計します。
正規化のポイント
- 第1正規形:繰り返し項目の排除
- 第2正規形:部分関数従属の排除
- 第3正規形:推移関数従属の排除
コツ
第3正規形まででも十分なケースが多い
パフォーマンスと整合性のバランスを考慮
読み取り頻度が高い場合は、意図的な非正規化も検討
4. 物理設計フェーズ
パフォーマンスを意識した実装
論理設計を実際のDBMSに合わせて最適化します。
検討すべき要素
- データ型の選択
- インデックス設計
- パーティショニング
- ストレージ設計
コツ
主キーは代理キー(サロゲートキー)を推奨
外部キー制約は整合性とパフォーマンスのトレードオフを考慮
インデックスは「作りすぎ」より「作らなすぎ」の方が安全
補足:PostgreSQLパーティショニングテーブル作成例
PostgreSQLでパーティショニングを実装する際の、実用的なクエリ例をいくつか紹介します。
1. 範囲パーティショニング(Range Partitioning)
日付によるパーティショニング - 最も一般的
2. リストパーティショニング(List Partitioning)
地域や カテゴリによるパーティショニング
5. 実装・検証フェーズ
実際に動かして検証
- 設計したスキーマを実装し、想定通りに動作するか検証します。
- 検証項目:
- データの整合性チェック
- パフォーマンステスト
拡張性の確認
バックアップ・復旧手順の確認
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